2021.11.12ブログ
「観見二眼(かんけんにがん」というお話(担当:石神)
「観見二眼」、この言葉を聞いたのはもう20年前のことだと思います。
その言葉を教えてくれたのは、当時中国勤務で精力的に仕事をしている親しい友人でした。
二人で道を歩いていると、
「この前、懇意にして頂いている会長さんに挨拶に行ったんですよ。そこで『観見二眼』という言葉を教えてもらったんですけど、石神さん、知ってます?」
「いや~、かいけんにがん?どんな字を書くの?」
「観察の観(かん)と目で見るの(けん)ですね。その二つの眼でにがんと読むんですよ。宮本武蔵の五輪書の中にその言葉が書かれているらしいんですけどね、五輪書だから、兵法にまつわることらしいんですが、会長は僕にも分かりやすく話してくれたんですよ。要するに、勝負ごとには、相手の体や動きだけではなく、心を観る必要があるということなんですね。心で観るのが「観(かん)の目」、肉眼の目で見るのが「見(けん)の目」だと云われ、目に見えるものだけに頼らず、動きや変化に動じない心の目で本質を捉えろという意味なんだそうです。僕はどうしても目先のことが頭をもたげてしまいがちですから、大きな視点(大局)から先ず観ることの大切さを教わったように感じました。」
「なるほどね~。小事にこだわって大事を逃すってことはあるよね。」
「また会長は、日ごろの自分自身の言動を観の目でみるように心がけていると言ってましたね。そうすると、何であんな言い方しかできなかっただろう、とか彼らの立場をもう少し理解していることを伝えれば良かったなんて、冷静なもう一人の自分で自分自身を観ると反省すべきことが多々観えて来るんだよ、本当に恥ずかしいよって。偉いですよね。」
「確かに冷静なもう一人の自分が自分を観ているよね。相手に嘘をついた時なんか、嘘を言っている自分を観ているもう一人の自分がいるもんね。人間の本質は自分に嘘のつけないようにできているんだよね。また相手の心を観ることは難しいけど、自分の心を見つめることはできるものね。その会長さんは立派な人だね~。」
「いや~なかなかの方ですよ。『観見二眼』っていい言葉ですよね。中国にいるといっぱいいい話がころがっているんですよ。でも、やっぱり『観見二眼』ですよね。」
シェアする