2025.01.20ブログ
システムコーチング®に取り組んで10年目に思うこと(担当:倉田)
システムコーチング®の資格を取得して今年でちょうど10年が経ちました。(CRR GLOBAL認定ORSCC = Organization and Relationship Systems Certified Coach)
昨年は様々な企業様からご依頼をいただき、多くのチームに関わらせていただきました。
みなさんはシステムコーチングについてご存じですか?
システムコーチング®とは、組織と関係性のためのチームに向けたコーチングです。
個人の成長ではなく、チームや組織全体の関係性に焦点を当て、チームの力を引き出していきます。
個人の成長からチームや組織全体の関係性、成長へと関心が移ってきた背景には、現代社会が抱える課題が影響を与えていると言えます。
グローバル化、デジタル化が進み、そして多様性の加速により、社会はこれまでにない複雑な状況となってきています。
複雑化している社会が抱える課題も当然複雑となってきていて、個人の力だけでは解決できないものも多く、よりチームによる取り組みが求められるようになってきていると言えます。
私がシステムコーチングを学ぼうと思ったきっかけとなった出来事があります。
それまで組織の中で、課長職や部長職といった職位の方々に向けたパーソナルコーチングに長く携わってきました。
Ⅰ対1でクライアントに向き合う中で、クライアント自身がビジョンを語り、課題を整理し、実施に向けて決断をし、職場でいざ行動に起こしても上手くいかないといったことが何度となくありました。
クライアント自身がどんなにポテンシャル高く、モチベーションも高く権限があっても、やろうとしている課題が解決できない、前に進まないという状況です。
「本社が動かない」「他部署との複雑な力関係が影響している」「組織風土の壁に苛む」など理由は様々ですが、クライアント個人の力だけではどうにもならない難しい壁がいくつもありました。
そんな時にチームの本来あるべき関係性から本来取り組むべき課題に向き合うシステムコーチング®に出会いました。
システムコーチング®が他の組織開発と異なるところは、単にチームで課題を解決するのではなく、チーム全体をシステムとして捉え、相互の生きた関係の中で課題を捉えていくところです。
チーム活動の相乗効果に、「1+1=2以上の力の発揮」などとよく言いますが、システムコーチングを通してチームに内在する力が発揮され、まさに、1+1=2以上になっていく瞬間に立ち会ってきました。
チームに内在する智慧がチームの力となって表出してくる瞬間です。
昨今では、ダニエル・キム博士(MIT組織学習センター共同創始者)提唱の「成功の循環モデル」やエイミー・C・エドモンドソン(ハーバード・ビジネススクール教授)提唱の「心理的安全性」など関係の在り方を重要視する考え方の広まりもあり、システムコーチングの注目度合いはさらに上がってきていると感じています。
システムコーチング®に取り組み始めて10年、このコーチングを通して、チームが活性化し人が活かされる組織作りに貢献ができたら嬉しい限りです。
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